大所高所は税の世界でも?
現在の改定日米租税条約は平成16年から適用されています。
実は、この改定において、私が記憶している大きな問題がありました。
所得区分は、申し上げると問題になるので、伏せさせていただきます。
パッシブ所得、と言ったり、投資所得、と言ったりしますが、配当、利子、使用料、こうしたものが、該当します。
こうした所得に、他の国の租税条約に先駆けて、免税や軽減を拡大したのが、現在の日米租税条約。
この改定された日米租税条約、適用開始時期が国内の批准手続きにより、決まってくるのですが、
私が直接担当したわけではありませんが、ある外資系企業が、契約を変えて、支払時期を遅延させ、
本来であれば、旧条約の取扱で日本で課税であったところを、新条約の適用壊死以後だとコントロールして、
日本で課税される税を軽減した、という事案です。
私は結論は存じませんが、やはり、こうしたことはやりすぎだと思います。
最終的に訴訟まで行って、勝ったとしても、争訟を呼び込んでしまうものです。
税の世界で、外資などは手柄を立ててボーナスをもらいたい、そういうインセンティブがあるように思います。
就業規則などを全面改訂して、退職金の打ち切り至急をして、費用を発生させて、税金を低くする。
こういうことも争訟を呼び込むものですね。
国税の内部も、最後は人が判断します。確定的な想定は、大変危険です。
審査請求をするにしても、税理士や弁護士の費用がかかるでしょう。
数百万程度のタックスメリットなど、吹き飛んでしまいますよね。
大所高所からのマネジメントは、税の分野でも大事なのです。(了)