配偶者控除:税と社会保障の一体改革は可能か?
税と社会保障の一体改革といいますが、これはなかなか難しいんですよね。
財務省と厚労省、どちらも歴史と力のある省庁で、大臣もいるわけです。官僚もいる。
それぞれが違う原理で動いている。
末端の職員については、財務省のほうが国税庁を擁している分、格段に上だが、そんなことで決まるものでもなく。
配偶者控除の改正だって、世の中の働きたい女性のネックになっているのは、
何も、配偶者控除のパート収入の上限、103万円だけではない。
夫の社会保険での被保険者に入っていられるのは130万円まで。
所得税法の配偶者控除の話ばかり言われて、社会保険の方は今ひとつ批判もない。
本来は、一体で改正せよ、そういう声があっていい。
しかし、一体改革というような掛け声で、一体改正とはおそらくならない。
私は、厚労省は、批判されていないので、知らん顔だと思っている。
財務省が、槍玉に上がっている分、単独で配偶者控除の限度所得を引き上げる、ということしか起こらないだろうと踏む。
最後は政治決断だが、社保を考慮して、家計の実入りで考える場合に、複雑な計算が必要になることは
引き続きやむを得ないことだろうと思う。
税務署に勤務していた時期も、そんな電話質問ばかりだった。
本来は、一体改正すべきだと思うのだが、ハードルは高い。(了)