top of page
検索

JASRACが音楽教室に演奏権の使用料を要求

  • 久川秀則
  • 2017年2月11日
  • 読了時間: 2分

著作権には、演奏権がある。たとえば、ある人の楽曲を、ステージやライブで歌わせて欲しい、というときには、

作曲者、作詞者に許諾を受けねばならない。

これは、その歌を歌うことで、商売をするから、その原価として、作曲者、作詞者などの著作権者に支払うことは

それなりに合理性があるし、慣行上も成立していることだ。

今回JASRACが、ヤマハ音楽教室などでの、講師や、受講生による楽曲の演奏などについて

演奏権の使用料を払うべきだ、と要求した。

もちろん、著作権者は、演奏権を専有する。これは著作権の法律にある。

解釈としては公衆の面前での演奏と解されている。

音楽教室は、音楽教室において、指導のために講師が演奏し、練習のために生徒が演奏するというもの。

少なくともこれは公衆の面前とは言えないと思う。

あと発表会。これはホールで行われることが多いが、無料で見に行くものであるし、見に行く人も家族や知人に限定され、不特定多数が見る前提にはない。

JASRACはこのあたりの解釈をどう考えているのか?

JASRACの言い分を正当化するには、営利目的での演奏は、公衆の面前とはいえなくても、許諾、使用料が必要だ、

と解釈しなくてはならない。

音楽教室側は、不特定多数の公衆面前ではないし、教育目的であるというのが言い分だ。

私は税務の立場でしばしば著作権を取り扱ってきたが、鋭利であれば、使用料を支払え、というロジックは、

理にかなっていることだ。

しかし、音楽教室ということなので、公教育ではないが、教育目的でないとも言い切れない。

公衆の面前でないということも、一理ある。お金を払って聴きに来ているわけではない。

確かに学校教育現場については、著作権の使用が自由とされているが、それが音楽教室に適用されるべきかは、微妙だ。

断定的な判断は難しいところだが、

音楽教室が楽曲を使って利益を得ている、というのであれば、

それを音楽学校が使うことで、著作権者は利益を失っているか?という疑義もある。

そこでそういう楽曲を使うから、自宅でもCDを買って、聞いたりして練習するだろう。

そんなに目を吊り上げて、ヤマハやカワイの音楽学校から著作権使用料を取り立てなくても良さそうなものだと思う。(了)

 
 
 

最新記事

すべて表示
クレジットカード支払いへの対応

こんにちは。このところ海外在住の日本人の方から、直接お問い合わせいただくことが多くなりました。 日本に帰国、当事務所に来所してご相談することができない皆様です。 このため、まず、報酬について、万一振込が難しいこともあるだろう、ということで、(海外送金は大変ですから)...

 
 
 
ビットコインなどの仮想通貨の確定申告

みなさんこんにちは。 ビットコインが急騰して、思わぬ利益が発生している人が多いようです。 このビットコインの確定申告については、少し前に国税庁が雑所得、総合課税である、と公表した以外、 現時点、こなれた考え方の整理、質疑事例などの公表はなく、税務署の窓口でも相談した際の回答...

 
 
 
本日の会議にての感想

本日は、東京税理士会の情報システム委員会の打ち合わせでした。 記帳や決算、税務申告など、税理士業務の中核業務、AIが普及するとなくなるそうです。 伝統的な税理士事務所はまさにこのコア業務が多いでしょうね。 危機感がある若手の税理士は、コンサルなど別の分野に活動を広げつつあり...

 
 
 
特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page