パナマ文書関連で10億円の申告漏れ
- 久川秀則
- 2017年6月17日
- 読了時間: 2分
久々のブログです。
少し前にパナマ文書関連で10億円の申告漏れ所得が把握されたことが伝えられました。
最終的に、海外に資産があることが、パナマ文書情報を端緒に把握された場合でも、
そのまま資産を保有しているだけの場合には、アニュアルで発生するインカムが適正に申告されているかどうか、
という話になり、把握された資産そのものが、直ちに課税もれ所得ではありませんので、
多くはそうした利子や配当などのインカムが申告漏れであったのであろうと推察されます。
海外資産の保有理由はいろいろで、例えば海外のプラント建設に従事するエンジニアリング会社の技術者であれば、
10年という単位で海外勤務になり、現地での給料を貯金するために海外に口座を持つでしょうし、
中には、スイス銀行に(UBSやクレディ・スイス)口座を開設することもあるでしょうね。
そうしたものを、帰国する際にすべて解約して帰国するものでもないでしょう。
結果として海外に一定の預金が残る、そういうまっとうな話もあります。
しかし、平成9年ころから国外送金調書が施行、現在は国外財産調書制度も導入、
正しく情報申告をしませんと、大変なことになりますのでご注意下さい。
だんだん、税務のコンプライアンスが厳しくなり、財産を匿名化しよう、税務当局の目が届かないことをしよう、
というのは、厳しい処分に相当する、そういう時代が到来していると思います。
私は、まっとうな財産運用で、まっとうに納税し、資産を拡充することで十分納得感は得られるのだ、と思っているのですが、
海外に移住したい、海外に資産を持ち出したい、そういうニーズは相変わらず高い気がします。
じっくり物を考えて、人生観、今後の人生、家族、しっかりと深く物を考えて、
専門家に税務リスクをしっかり相談して、行うべきでしょうね。(了)
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